第4章 耳、みみ、ミミ!
縁側の見学組は立ったまま、成り行きを見守っていた。
しかし、へし切が長曽祢に首根っこをガッチリ捕まれてもがいている。
へし切「離せ!主の危機だぞ?!」
どうやら月海を助けに行こうとして、長曽祢に止められているらしい。
長曽祢「落ち着けって。遊びの延長だろう?それに主に耳が生えるのは、少し見たくないか?」
へし切「そ、それは少し…いやいや!主様が嫌なことなら…でもネコ耳は…」
長曽祢の問い掛けにゴニョゴニョ独り言を呟き、へし切は大人しくなった。
倶利伽羅「まったく、なにをやってるんだあいつらは。」
そんな風に言いながらも、ちょっと期待する様にふふっと笑う倶利伽羅。
歌仙「楽しそうだから良しとしましょうか。」
歌仙も笑っている。
何だかんだで、見学組も月海のコスプレはちょっと見たいらしい。
そんな頃、西軍の本陣には心配顔の五虎退と秋田がいた。
月海の判断で、残った2人は耳が生えていない。
和泉守と鯰尾がかまくらに休憩に行ってしまった為、戦況も分からず困っていた。
秋田「もう大分過ぎたよね?」
五虎退「ど、どうしましょう?主様戻って来ないですし…」
2人は話し合いの末に、月海の元へ行くことにして本陣から慎重に駆け出した。