第4章 耳、みみ、ミミ!
それにしても、雪玉がさっきからあまり雪壁を越えてこないのは何故なんだろう?
ふとそんな事が気になり、雪壁の脇からそっと覗いて見た。
するとこちらの雪玉と薬研玉は空中でぶつかり合い、砕けて散っていた。
月海は度肝を抜かれた。
月海(ちょっ、えぇーっ?!こんな高度な戦いだったの?!)
顔を引っ込めて、気合を入れ直して雪玉を作る事にする。
今まで刀剣男士達はこんな感じで雪合戦してたのか…と改めて能力の高さに感心する。
その時だ
ぐうぅぅぅぅぅぅっ。
その音は異色だった為か思いの外大きく響いた。
光忠「んぶっ!」
勝負は一瞬とよく言うが、本の一瞬音に気を取られた光忠は見事に雪玉に当たり…
ぴょこん!
お馬さんの耳が生えてしまった。
月海「ほ、本当にごめん…」
緊張していた筈の月海のお腹は、空気を読まず。
恥ずかしくて消え入りそうになりながら謝ったのだった。
光忠「いいけど、これじゃあ薬研くんの思う壷だね(汗)」
そう言いながら光忠も小狐丸の隣にあぐらをかいた。
月海は我に帰り、自分が1人きりである事に気が付いた。