第4章 耳、みみ、ミミ!
薬研が引っ込むと普通の雪玉に混ざって黒い雪玉も飛んできた。
月海「あっぶな!」
間一髪で避けて、雪壁に引っ込む。
小狐丸「下がってください。」
そう言うと、小狐丸は雪玉をぽんぽん投げ出した。
月海は慌ててハイハイで小狐丸の後ろへ回る。
光忠「るなちゃん雪玉作って。投げるのと、雪玉を作るのは別の方が良さそうだからね。」
そう話しつつ凄い速さで雪玉を作る光忠は、餅を丸めてるように見えて少しお腹が空いた。
光忠「るなちゃん?何か変な事考えなかった?」
ぽと。
丸めかけていた雪玉を取り落とす。
月海「え?あ、ううん!早く作ろう!」
作った雪玉は小狐丸の足元にコロコロと送る。
で、時々雪壁を越えてくる薬研玉(命名した)を避けしていたが…
小狐丸「あっ。」
光忠・月海「えっ!?」
小狐丸の小さな声が聞こえ顔を上げた時にはもう遅く…
ぴょこん!
ミッキーマウスの様な可愛らしい耳が見事に生えていた。
小狐丸「んー、無念ですね。」
そう言って苦笑いし、下がって雪の上にあぐらをかいた。
光忠がぱっと動いて、雪玉を投げ始める。
光忠「何時まで持つか分からないけど、るなちゃん雪玉ありったけ作っておいて!」
不安に思いながら雪玉を作る。