• テキストサイズ

アネモネの花を…

第4章 愛しい人


「はい。どうぞ。熱いから気をつけて食べなよ?」

「…うん!ありがとう」

坂上さんのつくってくれた鍋は本当に凄く美味しくて、優しい味がした。

恋人になったんだ。私、坂上さんの。
こんな素敵な人が、私の彼氏なんだ

ヤバい。幸せすぎて、死にそう!

「ねぇ、そういえば、なんでモコって呼ばれてるの?」

「ん?あー、アシスタント時代にさ、先輩がマコを噛んで、モコってなったんだよ!笑」

「そうだったんだね!可愛いあだ名だなってずっと思ってたの!」

「…そりゃどうも。……モコって呼ぶ?」

「……んー誠くんか、まこくんって呼びたい!だってさ、皆モコって呼んでるから、少しでも違う呼び方したいの。」


ーモコちゃんって呼ぶよ。だって、私ずっと好きだけど、もう彼女には戻れないんでしょ?まこくんって、誠って呼び続けると、諦められなくなる。ー

「ふっ。安心しなよ!どんな呼び方してようが、特別なのは栞だけだからさ!」

「うん!ありがとう!」

「栞……」

「…なに?まこくん……」

「……どこにも行かないで欲しい……」

「……いかないよ……どうしたの?」

「ごめん……すげー好き……だから不安になったんだ……もともと超売れっ子カリスマモデル、で、後に大女優になる栞さんの彼氏はただのカメラマンだからさ…遠く感じたよ…」

―高崎さん、栞売れちゃいましたね。俺の事なんてもう相手にしてくれませんよね?今さら……俺、何で素直に好きって、言えなかったんだろ……何で突き放しちゃったんだろう!……怖かったんすよ!……気づかなきゃ良かった。……愛してるなんて知りたくなかった!俺が俺じゃなくなるの、ずっと怖くて。でも、俺変わっちゃったよ!高崎さん!―

―モコぞー、お客さんだよ!はい!電話!―


―ばかだなぁ!ずっと愛してるって言った!私、変わったかもしれない。あの頃より確かにステップアップしたかもしれない!でも、いつでも、死ぬまで恋してるのはモコだけだよ?―


「まこくん……私、もっと売れたい!有名になるの!……まこくんと肩をならべるほどの女優になる!……でも、ステップアップしてもきっと変わらずまこくんだけに恋していたいなって!……ちゅっ!……だから、不安にならないで!!」





/ 39ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp