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炎の華と氷の心

第9章 地獄の終わり


「黒ひげ海賊団!!!?」

全員が驚いた表情をする。

「あいつら……確か、インペルダウンのLEVEL6にいた奴ら……」
「知ってんのかよい?」

マルコに訊かれ、リラは頷いた。

「『“巨大戦艦”サンファン・ウルフ』、『“悪政王”アバロ・ピサロ』、『大酒のバスコ・ショット』、『“若月狩り”カタリーナ・デボン』、『雨のシリュウ』看守長……。錚々たる面々ね」
「……そこまで覚えてるお前も恐ろしいよい」

マルコに呆れたような声をかけられたが、無視無視。

白ひげがティーチに襲い掛かる。“ヤミヤミの実”と“グラグラの実”、最悪の能力者同士の戦いである。

白ひげにボロクソにやられた黒ひげは、仲間たちと共に昔のオヤジに銃弾を浴びせ、ハチの巣にした。
リラは思わず目をそらした。痛々しくて見てられなかった。
だが──

「お前じゃねェんだ……」

白ひげが自身の体を鮮血に染め上げながらも言った。「!!……まだ生きてんのかよ!!」黒ひげは心底驚いた様子だ。

「ロジャーが待ってる男は……少なくともティーチ、お前じゃねェ……。ロジャーの意思を継ぐ者達がいるように、いずれエースの意思を継ぐ者も現れる……“血縁”を絶てど、あいつらの炎が消える事はねェ……。そうやって遠い昔から、脈々と……受け継がれてきた……。そして未来……いつの日か、その数百年分の歴史を全て背負って、この世界に戦いを挑む者が現れる……!センゴク……お前達世界政府は……いつか来る……その世界中を巻き込む程の“巨大な戦い”を恐れている!!」

どくん、と胸が鳴った。

「興味はねェが……あの宝を誰かが見つけた時……世界はひっくり返るのさ……!誰かが見つけ出す、その日は必ず来る……」

どくん、どくん、どくん。
心臓が鳴り止まない。もう彼の命の炎もわずかなんだと──分かってしまった。

「“ワンピース”は!!!実在する!!!!!!」

白ひげは高らかに宣言した。まるで20年前の海賊王の処刑の時、ロジャーが言ったように。そして、その言葉は人々を海へ駆り立てるのには十分すぎるほどの言葉だった。

「……!!!貴様ッ!!!」

センゴクが青筋を立てる。
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