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進撃の巨人 リヴァイ落ち予定

第5章 近づく心



コンコン

日が落ちて間もない頃。
研究室の扉をノックする音が部屋に響いた。

ハンジは研究室の奥の部屋で、ちょっと危ない研究をしている。
ハンジさんへの用なら、伝言だけ聞いて帰ってもらおう。

そう思い、アイリーンは扉を開くため椅子から立ち上がる。
ドアノブに手を掛け力を入れて手前に引くと、いつもより扉が軽く開いた。

あれ、この扉ってこんなに軽かったっけ……?

アイリーンが疑問に思っている間も、ギイッと扉は開いていき
「失礼する。」と礼儀正しい挨拶がアイリーンの耳に届いた。


「うわっ。ビックリした……」

「……居たのか。驚かせたな。」


扉が開いた直ぐ目の前に居たのは、此方を驚いた表情で見るリヴァイだった。

いつもより軽かった扉は、リヴァイが反対から押し開けていたためだった。

突然の至近距離に、アイリーンは一瞬固まってしまう。
二人の身長はリヴァイがアイリーンより10センチ高い位。
そっと上を見ると少し動揺しているのか、リヴァイの瞳が揺れた。

間近で見るリヴァイの顔に、さっと距離をとる。

どうぞ、と若干俯き加減でリヴァイを中へと促すと、何事も無かったようにリヴァイは部屋へと入る。

そのまま、ソファへと腰を掛けると辺りをぐるりと見回す。


「あ、リヴァイさん。今ハンジさんは」
「奥か。」


アイリーンの言葉に被せて、リヴァイは奥の部屋に視線を送る。
奥の部屋からは、時おりハンジの奇怪な笑い声と
工事でもしているような低い音が地響きの様に聞こえてくる。


「さすがです。ハンジさんは“研究中”です。」

「研究、か。魔術の間違いじゃないのか。」

「そこを探ってはいけません。」


リヴァイの呆れたような言葉に、アイリーンは腕を組んで誇らしげに言い切る。
何がそんなに誇らしいのかと、今度はアイリーンに呆れたように視線を向けるが、アイリーンはリヴァイと目線を合わせると
ニコッと笑顔を見せた。

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