第5章 近づく心
「いやー解決!よかったよね!」
「はい。ありがとうございました、ハンジさん。」
ハンジさんに全てを話した翌日。
驚くほどあっという間に、ハンジさんは犯人を見つけてきた。
やはり新兵だった彼らには、私が提案した罰が下されると決定されたようだ。
「でもこの罰を聞いたときのリヴァイの顔! アイリーンにも見せてあげたかったね!」
「驚いてましたか?」
「そうなんだ! でもその後は納得してたよ。これが一番だってね。」
アイリーンが提案した罰。
それは、減給だった。
只でさえ安い新兵の給料。
それを数ヶ月カットする。
兵力を落とさずに兵団の利益になり、罰としても成立する。
我ながら良い案だと、アイリーンは誇らしげに「そうでしょうとも!」と胸を張った。
「リヴァイや僕みたいな、お金なんてどうでもいいような連中には、気づけない罰だったってエルヴィンが誉めていたよ。」
「だ、団長がですか!? 光栄です」
アイリーンは照れたようにほっぺを掻いて、笑顔を見せる。
その可愛らしい笑顔に、ハンジも釣られて笑顔になる。
「さて。璧外調査まであと少し。捕獲作戦を少しでも成功させるために、研究だよ!」
「はい!」
すぐそこまで迫った、初めての璧外調査。
アイリーンはドキドキと胸を高鳴らせながら、初めての璧外へと思いを馳せた。