Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】
第10章 俺達のスペアキー
「Happy Birthday、和也…」
耳元で囁かれる、極上の甘さを含んだ声に、心臓がドクンと跳ね上がる。
「じゅ…ん…?」
「やっと日付け変わった…」
えっ、もしかして潤…、日付けが変わる瞬間を待ってた、とか…?
も、もぉっ…、なんだよソレ…
カッコよすぎじゃんか…
「ねぇ、もう一回言って?」
「Happy Birthday…」
「違う、そうじゃなくて、“和也”って呼んで?」
だって普段“和”って呼ばれることはあっても、“和也”なんて呼ばれること、滅多にないから…
「くくく、いいぜ今日は特別だ、何回でも呼んでやる。但し、ベッドの上でな?」
「えっ…? …うわっ…!」
ボッと顔が熱くなったと思った瞬間、俺の身体がフワリと浮いて、焦った俺は思わず潤の首にしがみついた。
「なんだよ、抱っこしてくれって言ったの、お前だろ?」
そ、それは…そうだけどさ、いきなりなんだもん。
焦るに決まってんじゃん!
でも…ちょっと嬉しいかも…
「落とさないでね?」
「ばーか、落とすかよ…」
当然とばかりに鼻息を荒くして、俺を腕に抱いた潤が寝室へのドアを開けた。
そして一人で寝るには十分過ぎる大きさのベッドに俺を下ろすと、そっと俺の額にキスを落とした。
「なあ、知ってるか? このベッド、超寝心地いいんだぜ?」
「ふふ、知ってるよ」
だって一緒に選んだんだもん、知らないわけないじゃんか(笑)