Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】
第10章 俺達のスペアキー
よっぽど腹が減っていたのか、潤おすすめのラーメンを、しっかりスープまで平らげた俺は、潤の部屋に着いた頃にはもう半分夢の中で…
「おい、寝るならちゃんとベッドで寝ろよ?」
「うん…。でもこのソファー…超寝心地いいんだもん…」
やっぱ潤の反対押し切ってコレに決めて正解だったな。
若干、部屋の雰囲気には合ってないけど…
「ったく仕方ないな…。ほら…」
潤の手が、ソファーで寝そべる俺に向かって伸びてくる。
でも…
「やだ。抱っこがいい」
だってさ、もう後数分もしたら俺の誕生日じゃん?
誕生日くらい、特別扱いして欲しい。
「抱っこしてくれないなら、ベッド行かない」
強請るように見上げた俺を、潤が呆れたように見下ろして、ため息を一つ落とす。
そして俺の目の高さまで膝を折ると、プッと膨らました俺のほっぺたを指で摘んで、ビヨーンと引っ張った。。
「な、何すんの…!?」
「ぷ、ぷぷぷ…、おもしれー顔(笑)」
勝手に人の顔引っ張っといて、ちょっとそれ失礼じゃない?(怒)
「も、もぉっ…、潤なんて知らない!」
俺、怒ったから…
人の顔を指差し、肩を揺らして笑う潤に、思いっきりアッカンベーをして、俺は近くにあったクッションを潤に投げ付けた。
「わ、わわわっ…、わかったから、やめろって(笑)」
だって…
だってさ…、後数分で誕生日なのにさ、酷いじゃん…
なんて拗ねてたその時、ソファーに寝そべる俺の背中が、まるでブランケットのような温もりに包まれた。