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合同企画 青フェス‼(黒子のバスケ)

第1章 転がり落ちた先の、春。



「してやるよ、勉強」
「えっ…!やる気になったの?!」

自分の進級が掛かってるくせに、何故こんなに偉そうなのか。
桃井がいたら即座に突っ込みが入るところなのだが、不在の今はがただ嬉しそうに笑うだけだった。

ペンを握った青峰を見て、も気合いが入る。
いざ問題を、と言うところで青峰が口を開いた。

「今日…真面目に勉強やったら一個俺の言う事聞けよ」
「言う事…?」
「そ」

首を傾げては色々思い浮かべる。
テリヤキバーガーでも奢らされるか、それとも弁当作れとか言われるか。
どの道食べ物関係だろうと踏んだは、わかったと頷いた。

「オシ、ぜってーだからな」

青峰はニヤリと笑い視線をからノートへと移した。





そこから、二時間。





桜井と桃井が帰ってくる様子は一向になく、は時計を気にした。

「さつき達、どこまで買い物行ってるんだろ…?」
「どーせ、寄り道でもしてんだろ」

青峰は全く気にする素振りがない。
桃井だけなら心配だけれど、桜井が一緒だし大丈夫だろうとも再び教科書に目を通した。
ここまでみっちり勉強した甲斐あってテスト範囲はほとんど終わっていた。

「青峰くん、集中すればこんなに早く出来るのに…なんで普段からやらないかな」
「あ?終わりか?」
「うん、今日はおしまい!明日また今日と同じところやってみよう?で、模擬テストします!」
「げっ…まだやんのかよ…」
「これもバスケのためよー」

へいへいと嫌々感丸出しの返事をした青峰はベッドにゴロリと横になった。
濃紺のベッドシーツ。
ギシリとスプリングが音を立てた。

チラリと横目での様子を伺う。
視線には全く気付いていないようで青峰の解いた問題の答え合わせをしていた。



その視線を、こっちに向かせたい。
独り占めしてしまいたい。



どうしたらそれが叶うだろう。

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