第2章 SUMMER RAIN
「…さつきに偶然会ったときね、大ちゃんの初恋は私なんじゃないかって言ってた。それを知ってて、知ってたから、キスしたんだと思う」
青峰がを忘れられずにいることを、すぐ側にいた幼馴染は気が付いていた。
もしも、が青峰の思いを知ったうえでキスしたのなら
「…はっ」
俺の気持ちを、弄んだってことか?
青峰は必死で首を横に振るの唇を、勢い良く奪い去る。
「…や」
息が出来ぬくらい小さな唇を拘束し続け、やっと解放したと思えば煌めく長い糸が引く。
「同情でキス?ふざけんなよ」
「違うよ!」
の怒鳴り声と肌を叩く大きな音が部屋に鳴り響き、青峰の頬に生まれた赤い跡が熱を帯びていた。