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言 霊 遣 ヰ ハ 探 偵 社 員 ( 太宰治 )

第4章 人生万事塞翁ガ虎



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鉄橋を電車が通過する音が聞こえる川岸で 、一人の少年がべたりと膝を付いて倒れた


其の後直ぐに立ち上がったが今にも倒れそうな少年 、中島敦




何を思い出したのか 、突然険しい顔をして掌を力強く握り 、
覚悟を決めて周りの音に耳を傾ける様に目を閉じた

そして気配がした方 、中島の目の前を流れている川を見た


其処には両方の手脚が見え 、川を流れていた


中島は放心状態になり暫く其れを眺めていたが 、
其の手脚が徐々に下流へ流されて行き我に返った様だ


中島は我慢なら無いと云う様に「ええい!」と声を出し 、川の中に飛び込んで行った



ーー


中島が川岸に引き上げた 、
溺れていた砂色の外套の青年は 、中島が見ると同時に目覚めた


「あ 、あんた川に流されて…大丈夫?」


周りを見渡し目をぱちくりさせてから 、残念そうな顔で呟いた


「助かったか………ちぇっ」

「(「ちぇっ」つったか此の人!?)」


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