第8章 母校に向かう
久しぶりに母校に足を踏み入れた。
午前中だと言うのにうだるような暑さ。
何にしようかと迷ったけど、やっぱり冷たい物がいいだろうと、我が家にあったクーラーボックスに氷を詰め込んで、嶋田マートでアイスを買って持っていく事にした。
チラッと体育館の中を覗けば、タイミングよく休憩中といった雰囲気。
早くしないとアイスも溶けるし、もう、今しか無いだろう。
「こんにちはー」
皆に向かって声をかけた。
バレー部一同の視線がこちらに集まる。
「どうしましたか?」と寄ってきた武田先生に、
「昨日、烏養さんと龍くんにお世話になったので、お礼に差し入れをお持ちしました」
と、クーラーボックスを差し出した。
チラッと烏養さんをみれば、バチリと目が合う。不機嫌そう。
正直、怖い…。
なんとか、思考を目の前の先生に引き戻し、
「あっ、あの…。アイスなんで、溶けないうちに食べてください」
と言えば、高校生達の目が輝いた。