第8章 母校に向かう
私を救出したのは、烏養さんだったらしい。
「感謝しなよー。あんた喰われてたよ」
そう言う冴子に
「どうしてここに運ばれたの?」と聞いた。
「そりゃ、泥酔状態の娘をそのまま自宅に連れ帰ったら、あんたの親父さん大激怒っしょ?だからって、自分家にも連れて行けないって、こっちに連絡が来たわけよ。まぁ、烏養くんとは東京で呑み明かした仲じゃんか‼」
「あっ。そっか…」
確かに冴子の言う通り、昨日の状態で帰ったらお父さんは怒るだろうな…。
鵜養さんの気遣いに感謝する。
「お礼言わなきゃ。龍くんにも迷惑かけちゃったよね?バレー部に差し入れでもしようかな?」
「そうしてやってよ。あいつら喜ぶよ」
「うん。冴子もありがとうね。お世話になりました」
「水くさいこと言うなよ」
コツンと小突かれて、お互いに笑った。
「なんかあった?無理も無茶もすんなよ」
そう言う冴子に「ありがとう」と抱きついた。