第7章 消し去ろうと思った
頭がフラフラする。
足に、身体に、上手く力が入らない。
「大丈夫?」と覗き込まれた顔は歪んでぼやけていた。
その他が二次会に消えるなか、私は隣に座っていた彼に支えられている。
「呑ませちゃったの俺だからさ。君夏ちゃんは俺が送るよ」
そう言われたのは覚えてる。
だから、
「あっ、あの。こっちは、家じゃない…です」
自宅とは違う方向にすすむ彼の足取りにそう伝えた。
グッと腕を掴む手に力がこもる。
先程の居酒屋で笑っていた彼とは別人なんだろうか?
ひどく冷たい表情の目の前の人物は
「まさか、そのまま帰るつもり?俺と遊ぼうよ」
そう、耳元で囁いた。