• テキストサイズ

【忍たま乱太郎】空蝉物語【番外編】

第1章 番外編 第一話「気になるあの娘の異性はどちら?」




それを覗き見る気づけば、かなり接近していた男三人は。
「なんつってる?」と蜉蝣が聞くと「いやぁ、何か好きな男のタイプを聞いてるみたいですねぇ」と由良四郎。
「カ――ッ!若いねぇ……っ!」とニヤつきながら言ったのは疾風だ。

おっさん三人……じゃなかった、妻の居る三人は自身の青春時代を思い出すように頷いた。

「え、えーとその……」と、どもっていた麻言であったが。
意を決したようにぎゅっと両目を瞑ると

「は、疾風……さん、だよっ」

と言った。

――そして、訪れた沈黙。
タイミングが良いのか、悪いのかその時一際大きな波の音がざざんっと鳴った。

「……はっ?」

呆けた顔をして、声を発したのはその疾風本人だった。
ちなみに若い五人は信じられないという顔をしており、疾風と一緒の二人は大口を開けたまま固まっていた。

「う、嘘……っ。疾風の兄貴……っ?」

一番精神的に損壊が少なかった白南風丸が意識を取り戻すと、思わずそう口にした。
それに更に顔を赤くして、麻言は頷くと

「ほ、ほら、何ていうのか……。目つきが鋭くて、声が大きい所っとか。
それに、しゃきしゃきとしてて羨ましいから。ほ、ほらっ。僕ってぼうっとしてるじゃない?」

それに相槌のように「はあ」と生返事をする白南風丸。

「何か自分にないものを持ってるから気になるのかなあ。格好いいよね、疾風さん」

えへへ、と照れ隠しをするように麻言が笑った時。
近くの岩場からのそっと二人の影が現れたのだ。
蜉蝣と由良四郎だった。

「ほわっ!?か、蜉蝣さんっ、由良さんっ!!??」

/ 13ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp