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【忍たま乱太郎】空蝉物語【番外編】

第1章 番外編 第一話「気になるあの娘の異性はどちら?」



麻言がそう言って奇声を上げると若い衆が振り向き同様の反応を見せる。

「ひぇっ!?あ、兄貴達っ!」
「な、何やってるんすかっ?そんな所でっ」

激しく動揺する航と重に「それは、こっちの台詞だっ!!」と蜉蝣が怒鳴った。

「おめぇ等がコソコソしてるからっ、こっちは気になって付いてきたんだっつーのっ!」

由良四郎も同様に叫ぶと「そうだったんすか!暇なんですねっ兄貴達っ」とうっかり口を滑らした航が由良四郎に締め上げられた。
その時、はっと白南風丸が気づいた。

「あっ、疾風の兄貴っ――むぐっ」

慌てて蜉蝣が口を塞いだが、遅かった。
へっと目を丸くした麻言が蜉蝣と由良四郎が隠れていた岩場をそうっと覗き込む。
瞬間。疾風と目があった。
最初はお互いに呆けていたが、双方の顔が徐々に赤く染まっていく。と。

「わああああああああああああっ!!」
「にゃあああああああああああっ!!」

疾風と麻言は同時に叫び出し、お互い正反対の方向へと全速力で駆け出していった。

――そこに残されたのは、若い衆が五人に、幹部二人。

「……疾風め、まだまだ“純”じゃねえか。なあにが、『若いねえ』だっ」
とくつくつと笑ったのは蜉蝣。
「いあいあ、久々に面白いもんが見れましたな」と由良四郎も同様に笑顔だ。
そして、苦笑している白南風丸。

……しかし、他の若い衆は内心とても面白くなかったようで、疾風の奥さんにいいつけてやると思ったのだった。




「気になるあの娘の異性はどちら?」~終~
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