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【忍たま乱太郎】空蝉物語【番外編】

第1章 番外編 第一話「気になるあの娘の異性はどちら?」



「――あのさっ、麻言。単刀直入に聞くけど、お前水軍内で好きなタイプの男っているか?」

使い物にならなくなってしまった白南風丸に代わって、言い出しっぺの網問が努めて軽くそう質問した。
それを見て、よくやった!網問っと内心賞賛しこっそりと親指を立てる白南風丸除く三人。
しかし、本人にとって思いがけない問いかけだったのか「す、好きなタイプ?!」と目を丸くしている。
そして、うーんと思案しながら唸ると

「あっ。一応言っとくけど、好きなタイプっつぅのは『どんな異性が好み』かって意味で……」
「あっ、そのっ、大丈夫っ、解ってるよっ?!」

かなり鈍い麻言が意味が解らず悩んでいるのかと思った間切が助け舟を出しかけたが、杞憂だったようだ。
かっと顔を赤くすると、もじもじとそのまま麻言は俯いてしまう。
その仕草にキュンとしながらも五人が待っていると。

「えっと……。本人にはっ、言わないんだよねっ?」

上目遣いに聞いてくる。
その姿も愛らしいものだったが、それよりも五人はその言葉で“この中にタイプはいない”という事に気づき内心少し落胆していた。
だが、しかし逞しくも『まあ、あくまでタイプだ。タイプ』そいつが好きってわけじゃねえんだからと取り直す。

「――いっ、言わない言わないっ!約束すっから」
「誰誰~?」

航が目前で軽く両手を振る仕草をし、網問は目を輝かせながら促す。

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