第67章 【番外編】治してください
ジェイドさんはらしくないように、お顔をキョトンとされた。
「私と同じ症状が出ているとお聞きしました…。
私はもう大丈夫なので、ゆっくり休んでください」
「私はルルさんと違って体力もありますから、多少は…」
「私が心配なんです…!
私の我が儘はなんでも聞くと、前に言ってくれましたよね?
ゆっくり休んでください…?」
ジェイドさんは、腰を屈めて私と同じ目線の高さになると、くすりと笑って頬に優しく口付けた。
「そう言われてしまいますと、逆らえませんねぇ」
と幸せそうに目を細めた。
寝室のベッドに横になると、ジェイドさんはおもむろに着ているものを脱ぎ始めた。
突然のことに私は吃驚してなるべく見ないように急いで部屋を出ようとしたが、はっと手首を捕まれる。
「たくさん汗をかいてしまいました。
拭いてくれませんか?」
「……え?」
上半身裸のジェイドさんは、ゆっくり私の後ろの小さな洗面器と新しいタオルを指差してそう言う。
「…えっ?」
「ルルさん、すみません。
目眩でもう立てませんので、お願いします。」
こ、これは……完全にやられた…!
楽しんでいらっしゃる……。
こうなることを私は考えていなかった。
洗面器にお湯を注いで、少しお水で冷まし、ゆっくりタオルをつけて絞った。
「い、いきますよ…」
真っ白で綺麗な肌が私の目にうつる。
細いけれど、やっぱり軍人さんで、艶やかについている筋肉に私の心臓がどくどくとなりやまない。
首もとにタオルを這わせると、サラサラの髪が手の甲を掠める。
いつも、私に触れる時に流れてくる髪がベッドに広がっているのが新鮮だった。
そのまま鎖骨、胸板へと拭いていく。
(なんか、私が変なことしてるみたい……)
顔がどんどん熱くなるのを感じていると、ゆっくり赤い瞳が私の顔を捉える。
「いつも見ているのに、恥ずかしいんですか?」
「…っ!」
「それとも、この後どうして欲しいか、考えているんですか?」
「…ち、違います…っ!」
「ああ、ルルさん、下もお願いします。
脱がせて貰っても、よろしいですか?」
「うぇっ!?」