第66章 【番外編】パブロフの犬2
勿論気付かせない為にすぐに外したが。
実験動物は、出来れば片時も離れずに見ていたいが、今回はそれが叶わなかった。
かわりに、面白い映像が、一人で慰めている愛らしい姿。
(思ったより、激しいことをしていましたが…)
ガタガタと揺れる花瓶が、彼女の行為の激しさを物語っていた。
鮮明にそれを思い出すと、ゆっくりと下腹部に熱が集まる。
「もしくは、陛下との方が…?」
「や、いやぁ……」
胸元を撫でる手をそっと掴まれる。
小さな指がからめられ、赤い顔をした彼女が下から見上げてくる。
「ジェイドさんじゃなきゃ……いやぁ……」
「あんなに気持ち良さそうにしていたのに?」
嬉しいのに反して、また彼女の誘うような言葉が聞きたくて、意地悪を言う。
「ジェイドさんっジェイドさんが、ほんとは、いいんですぅっ…!」
ぽろぽろと生理的とはまた違う涙を流されてこちらを見つめれる。
崩れ落ちそうな理性をぐっと建て直しながら、またゆっくりと質問する。
「私の、何がいいんですか?」
彼女はきゅっと口を結んでから身体を反転させて、私の唇を盗む。
「キスも、胸も、お腹の奥も、ジェイドさんじゃないと、ほんとはいや、なんです…っ!
傍にいると、我慢できないんです、触って、欲しいんです…っ!!」
指先をまた絡まれ、抱きつかれる。
上半身に感じる重みが愛しい。
羽織ってあるだけの服を床に落とし、浮いた腰を撫で、そのまま割れ目へと指を這わせる。
短く小さな喘ぎ声が耳に心地いい。
「びしょびしょじゃないですか…」
頬が緩まって、その様子を片手で楽しむ。
「はぁ、だって、触ってくれるの、気持ちぃ…っ!
あっあっ、ひあっ…!」