第64章 【番外編】聖夜祭
もう日付は変わってしまったけれど、会えるのが嬉しくて、私はお部屋に戻ってすぐにぎゅっと隣にいるジェイドさんを抱き締めた。
「おかえりなさい…!」
「はい、ただいま。お待たせしました。」
細く逞しい腕がそっと背中に回される。
「困りましたねぇ。ご飯より先に欲しくなってしまいます。」
耳元で囁かれて、私は一気に顔を赤らめる。
「だ、だめです、せっかく温めたんですから…!」
そうですね、と離される身体が名残惜しい。
そんな素振りを見せないように急いで配膳する。
ジェイドさんは終始私の料理を褒めてくれた。
お世辞でもすごく嬉しくて、でも少し照れ臭くて、私は真っ直ぐ見てご飯を食べられなかった。
食事中に飲んだホットワインはぽかぽかと身体を温めてくれてすごく飲みやすくて美味しかった。