DIABOLIK LOVERS MOONLIT NIGHT
第5章 `Halloween party.(特別企画:逆巻)
*逆巻ライト*
「ビッ~チちゃん♪」
…ビクッ
恐る恐る、声の主を確かめようと振り返る。
「んふっ」
案の定、変態である彼がいた。
私のここでの選択肢は二つ。
一つは、永遠に無視。
もう一つは、全力疾走。
さて、どちらを選…「ビッチちゃん♪」
ドサッ…
もう手遅れだった様だ。彼に飛び掛かられた私は、その重さに堪えきれずに…
「はぁ……良いよぉビッチちゃん、凄く良い匂いがする」
押し倒された。おまけに、覆い被さられながら匂いまで嗅がれている。ライト、貴方は犬か何かですか。
「ねぇビッチちゃん、ボクと一緒にイケナイコトしよっか」
…いや、変態だった。
先程から彼の手が太股や脇腹周辺を徘徊しているのだが、それについては放っておいた方が良いのだろうか。いや、やっぱり放っておくわけには…。
ビクンッ…
『ちょ、何処舐め』
「へ~ぇ。ビッチちゃんって耳弱いんだねぇ」
急に、痺れる様な甘い感覚が体を走った。
ライトが私の耳を舐めたのだ。それに、いつの間にか手首も後ろで縛られている。ライトをよくみると、先程まで首元に巻かれていたネクタイが見当たらない。
ということは、手首を縛っているのはネクタイか。
違う。そんな事はどうでもいい。まずは彼にどいて貰いたい。
『どいて』
「え~?聞こえないなぁ」
紙に書けないせいで、仕方なく口パクで伝えても、彼はそうやって知らんぷりを続ける。
流石にイラッとした私は、ネクタイを外そうともがく。
が、そうした努力も彼に阻まれ、呆気なく幕を下ろした。
「も~、しょうがないなぁ。ビッチちゃん?」
『なに』
彼の吐息が、耳にかかる。
「ボクの部屋に行こっか」
──多分彼の変態癖は、永遠に治らない。