DIABOLIK LOVERS MOONLIT NIGHT
第1章 `branch point.
毎日、知らないクラスの女子達に呼び出される。
これは変わらぬ日常であり、もはや日課と化してしまった。
「貴女、一体ルキ様とどういう関係なのよ⁉」
「気安くルキ様に近付くなんて!」
私が彼の傍を離れると、いつもこうなってしまうのである。誰も近付かない空き教室へと呼び出されては、暴言を吐かれ、罵倒される。
そんな日々が、私の日常…日課。多分、明日も…明後日も続いていくのだろう。
なんて、悲しいことなのだろうか。
「おい、何をしている」
この声の持ち主を、私は知っていた。
「⁉ルキ様、これは…その、」
「…あ、私達はミオちゃんと色々お話してたんですよぉ」
「そうだよね?」
一人の女子が、言葉に圧力をかける。肯定しろ、というのは云うまでもなく彼女たちの目線が訴えていた。
「…そうなのか?ミオ」
貴方のその言葉に、静かに頷いた。
そうすれば、貴方がその答えに安心して、今日もあの子の元に行くことなんて、予想する前に…既に分かっていたことだ。
「そうか。…今日も先に帰っていると良い。分かったな?」
「はい」
私とルキが、どういう関係なのか。
回りの人が皆、口を揃えて…主と従者。ルキ様の犬。と云っていた事を、今でも覚えている。
何故なら、今でも云われ続けているのだから。
それにも、貴方は気付かない。気付いてはくれない。
去っていく貴方の背中を数秒見つめた後、私も同じ様に、貴方に背を向け歩き出す。
─すれ違い始めたのは、一体何処からだろう。
─貴方に少しでも良いから気付いて欲しい。
…そんな想いがあったのも、また事実だ。