第1章 最終章 始まりの追憶
「お前らか?セラーを殺したのは?」
「愚かな地上の民が我らに問いを投げるか。」
「お前らだよな?セラーの腕を切り落としたのは。身体を2つに切り離したのは。返せよ。」
「何を愚かな。死した者を返せとはこの上な、、、」
10m以上離れた場所でユラムを罵る魔道士の声が止まる。魔道士の顔はもうなく、喉元で話そうとしていた言葉がヒューヒューと虚しく音を立てていた。
「なあ?返してくれよ。俺の大切な兄貴を。まだ何1つ返してやいないんだ。」
傍観していた魔道士達が一歩下がり、警戒し始めた。その間、ユラムは首のない魔道士の体にセラーの剣を刺しては抜き、押し切っては引きを繰り返している。
その口元は少し笑っているようだった。
「返せ!返せ!返せ返せ返せ」