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【テニスの王子様】千石清純【裏夢】R18

第3章 お好み焼き



何故か髪を褒められ、顔が熱くなる。

赤いのが鉄板の前だからだと思われていますように。

「バド部は引退っていつ?」

「勝ち続けてる限りは。大会終わるまでずっと部活」

答えると千石くんがキョトンとする。

あれ?何か変なこと言った?

「あははっ良いなぁ、それ、南にも言ってやろ」

「え?」

「ほら、普通、負けるまでは、とか言わない?ちゃんってポジティブなんだねぇ」

「あ、そうか、そうかも」

負けるまで、か。よく考えたらそうだよね。

「そういうの、すごく良いね」

「そう?なんか今日は褒められすぎて困っちゃうよ」

「そう?ただの事実だから大丈夫だって」

つられて笑う。

「テニス部も、同じような感じ?」

「うーん、俺の代って、なんか強敵揃いなんだよ〜亜久津もめちゃくちゃ上手いしね」

「亜久津くんって、意外と真面目だよね」

「あはは、その評価を女の子から聞くと思わなかったけど、そうなんだよねぇ。喧嘩っ早いのは困るけど、授業も案外サボらないし」

「タバコもやめたら良いのにね」

「え、ちゃん気付いてたの?」

「亜久津くんも家近いじゃない?朝走ったりしてると見かけるもん」

「亜久津って早起きなのか…」

早起きについては知らなかったらしい千石くんが神妙な顔をする。

「千石くんも早起きでしょ」

「どうかなぁ?」

「朝走ったりしてると、見かけるよ」

「あー、ははは」

何故かバツが悪そうにする千石くん。

「それよりさ、スポーツ大会、ダブルス組むんだから練習しようよ」

「良いんだけど、私あんまりダブルス得意じゃないよ?」

「まぁ良いじゃん、それでも勝てる気がするし」

いたずらっ子な目で千石くんは笑う。

「千石くんが良いなら、良いよ」

もう今年1年分の運勢、使い果たした気分。

明日先生に言って、ダブルスの申請しよう。

片想いのまま終わってしまったとしても、良い友達になれたら嬉しいな。

こうして人に心を開ける一歩になったら良いな。
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