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彼は私のものにはならない。
第1章 私にあるもの。
「…なんだ?もう行くのか」
私を上目遣いで見つめる彼の目は
鋭く、でも私の前だからか、
少し柔らかく感じる。
「長居はできないわよ。
それに、長居するような仲でもないでしょ?」
「……そうか
気をつけて帰れよ」
そう言って体を起こし、私の額にキスを落とす。
「ふふ、ありがとう。大丈夫よ」
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