第1章 私にあるもの。
「あの、御子柴さん」
「はい?
え、っと、田中さん、だったかしら?」
「あ、はい、田中です!
えっと、ロー君のことなんだけど…
今日学校来てなくて、プリント、明日提出のものがあるから…」
あぁ、同じクラスだったわねこの子。
忘れてた。
「私が?「もし、もしなんだけど、暇じゃないなら私が行くよって!」」
おどおどしながらも、
顔を赤らめながらも、
この子はそうか
……あぁ、そういうことなのか
「そ、うね、あなたが言った方がわかりやすいわ。
ごめんね?」
彼女も、
彼に恋してるのね。