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彼は私のものにはならない。

第1章 私にあるもの。




「また、口にしてくれないのね」


彼の背中を見つめながらつぶやく。


そう、彼は口にキスをしてくれない。


いや、私だって額にさえしないじゃないか。


私はそれだけは、まだしてはいけないと

したら終わってしまうと、

思ってしまうのだ。



「あなたにちゃんと愛されたい。」



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