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彼は私のものにはならない。
第1章 私にあるもの。
「…あぁ。」
「寂しいの?」
ふふ、とばかにしたように笑う。
「お前は?」
「私?
どうかしらね。」
寂しいなんてもんじゃないわ。
悲しい。
「玄関まで行くわ。」
「あぁ。」
玄関まで無言のまま私たちは歩いた。
「じゃあね。」
「ん。」
いつもどおり、彼から額にキスをした。
玄関を出てローの背中が見えなくなるまで見送る。
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