第1章 序 生きる事に、疲れを感じる日常。
生きる事に疲れるという事は、日常の中で普通に繰り返される事で、全ての人々が人生の中で一度は感じる苦悩の一つだと思う。
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1死にたくても死ぬ勇気が持てない人は、とても臆病で弱い人ばかりだから、止まる事なく進む人生(時間)の途中…それが終わるその前に、精神が壊れてしまうかもしれない。
2死ぬと分かっていても生きたいと願う人は、現実(死)を受け入れられたとても強い覚悟を持った人ばかりだから、一日一日を大切にしていこうと、残りの人生を確かに歩んでいけるのかもしれない。
この世界には、この二つの類いの人たち以外の類いの人たちもいると思うけれど、この二つのどちらかに当てはまるかというと、私の場合は1に近いと思う。
何故なら、近い…というのは全くその言葉の通りで、私は死にたくても死ぬ勇気が持てないのではなく、死のうとは思ったけれど死ねなかった類いの人間だからだ。
自殺をしようと思い立ったのは14歳の春頃。正確にはもっと前なのかもしれないが、そういう意志がはっきりしてきたのはその辺りだったと記憶している。
それで、私は死のうと思った。方法については詳しくは云わないが、とにかく死のうと思っていた。
が、それが実行される事は無かった。家族が不在の時に実行しようとしていたのだが、生憎、死ぬ為にも準備というものがちゃんとあって、自分の家には利用できるそれらのものが無かった。
そんな事が約一年続き、自分も半ばめんどくさく感じてきていたのか、徐々にどうでもよくなってきていた。
……そうして、無常にも息苦しくも思えてくる時は残酷にも流れていき、──15歳の冬頃。
事件はついに、起こったのである。