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連れ立って歩く 其の四 和合編 ー干柿鬼鮫ー

第15章 ならそのままで



不意に山の鳥が盛んに囀り、忙しなく飛び立った羽根音が聞こえて来た。

「聞こえない?そうですか。ならそのままで」

耳を澄ませてその音を聞き届けた鬼鮫が、牡蠣殻の首に掌を載せてフッと口角を上げた。

「あなたの命に手を懸けるのは私です。改めて骨身に刻みなさい。好きですよ。牡蠣殻さん」

「は」

虚を突かれて顔を上げた牡蠣殻の額に口を寄せ、鬼鮫は身を起こした。
明るみを増した窓表に目を走らせて寝台を下りる。

「来客です。服を着なさい」











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