第15章 管理人のささやかな楽しみ
大声を出してしばらくすると、共有ルームのあたりからバタバタと音が聞こえてきた。
そしてウッドデッキの扉を開けたのは、恋と新の2人だった。
「ちょっ、お前こはね!!Six Gravityの良心こと葵さんに何してんだ!!」
「あーおーいー。おい、葵?酔っ払ってんのか?」
この状況を見た恋が私に向かって吠え、新が机に突っ伏したままこっちを見ていた葵に声をかけた。
「あらた~!俺ここで寝るから、あらたも一緒に寝よ!」
「!…こはね、もしかしてお前わざと葵を酔わせてベッドインするつもりだったのか…!」
「ベ…ベッドイン??!!こはねお前まじか!!!」
「ちげえわ!!見当違いもいいとこだよ!!」
2人に向かってそう叫んだ後、私は事の本末を話した。
まず、スパークリングを飲み始めた時。
『うわ、このスパークリング激うま』
『本当だ!カヌレの甘みとよく合うね』
『葵、飲めそう?』
『うん、これなら飲めそう。それにこんな風にお酒って飲んだ事が無かったから、すごく楽しいよ』
『そんな嬉しいこと言ってくれたら私も持ってきたかいがあるってもんだわ。ありがとね』
そして1杯目を飲み干した頃…
『葵、グラス空いたね。どうする?もうやめとく?』
『ん~…多分まだ大丈夫だと思うから、もう1杯だけもらおうかな?』
『はいよ~』
そしてそして2杯目を飲み干した頃。
事件はおきた。