第8章 ショッピングする管理人
「…やっぱ、グリーンが可愛いよね…でも使いやすいのは黒じゃん?だから迷ってんの」
私はグリーンとブラックの両方を手に取り、陽に問いかける。
すると陽は呆れたように私に言った。
「そういう事ばっか言ってるから、こはねのシューズボックスの中はだいたい黒とか白ばっかになんだよ。たまにはアクセントカラーになる靴も持っててもいいんじゃね?」
「確かに…てか何で私のシューズボックスの中身知ってんのあんた」
「前にこはねの部屋に遊びに行った時、チェックしといたぜ」
「後でしばく」
「…まあ、この話は置いといてだ」
「いや置けないんですけど」
「と…とにかく!!俺はグリーンを推すな!それに、このグリーンは暗めの色だし意外と使いやすいと思うぜ」
「誤魔化しやがって…まあ、それを参考にしつつ、とりあえず履いてみるわ」
「おう」
そして私は店員さんに靴の試着をお願いし、グリーンとブラックの両方を履いてみたが、陽の後押しもあったので、結局グリーンの方を購入した。
店員さんから購入した靴の入ったショップ袋を受け取ると、なんだか幸せな気持ちで溢れてくる。
「良かったな、こはね」
「うん、陽ありがとう。お陰で可愛い色の靴買えた!多分自分1人じゃ黒になってたと思う」
「役に立てたなら良かったよ」
「シューズボックスの件も今回は忘れるとするわ」
「あざっす!んでこはね。今日はそれで買い物終わりか?」
「ん~…スカートとニットも欲しいかな。後はその時に気にいった奴があれば買う予定」
「おっ!じゃあ俺それに付き合うから、こはねも俺の買いもん付き合って!」
そして私達は、お互いの服を選んだりして買い物を楽しんだ。
結構2人ともさくさく買い物するタイプなので、ストレス無く買い物することが出来たし、何より陽と買い物に行くと、普段選ばないような服や色をオススメしてくれるから結構楽しい。
陽もそれは同じみたいで、ちょっと嬉しかった。
そして最終的には両手に服や小物の入ったショップを掲げてうはうはな気分の私達は、帰りに陽オススメのスパイスカレー屋さんで夕食を食べて帰ったのでした。