第3章 管理人は乙女の戦場へ
PM18:00
いつもだったらだらだら事務書類を片付けたりしているけど、今日の私はひと味違う。
18時になった瞬間、私はくるっと後ろを向きそのまま自分の部屋へ駆け出す。
何故そんなに急いでるのか?
実は今日、先月からずっとずっとずっとずっと楽しみにしていたイベントがあるからだ。
そう、それは乙女の戦…
合コン。
高校の時の友達が今大学生なんだけど、友達の通っている大学の先輩と4対4の合コンをすることになったのです。
にやにやが止まらないまま私は化粧を軽く直し、持ってる洋服の中で数少ない女の子っぽいワンピースに着替える。
普段あまり使わない全身鏡でスタイルを確認してから、私は玄関へ向かった。
そして部屋の扉をあけると…
「あ」
「「あ」」
ちょうど仕事終わりの駆と葵が、エントランスの扉を開けて帰ってきた所だった。
ちなみに葵は皐月葵って言って、私と同い年で夜に並ぶ私の癒しボーイだ。
「こはね、ただいま!」
「こはねさんただいまです!どこか出かけるんですか??」
2人が笑顔で私に挨拶する。
駆もちょっと食い意地張ってるけどいい子だから、この2人に笑顔を向けられるとたまらなく癒される。
「お帰り駆に葵。今日はちょっと…高校の時の友達と会う予定があってね」
何となく合コンとは言いづらい私は軽く濁して駆の問いに答えた。
「そうなんですね!いつもとなんか違うからちょっとびっくりしました!」
「こはねはいつも私服はパンツスタイルが多いもんね。今日のワンピースもとっても似合ってて可愛いよ」
爽やかな笑顔でそう言ってくれる葵に、思わず鼻血をぶちかましそうな所をなんとか理性で止めた私は正直偉いと思う。
これで天然で言ってるんだからたまったもんじゃないですよ。
リアル王子だよ。まじで。
「駆くん…!!葵さんに座布団一枚あげといて…!!」
「え!笑〇!?なんで急に〇点仕様なの!?」
「葵さん…また1人女性を虜にしていまいましたね…」
「えっ、駆!?どういうこと!?」