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例のイケメンは凶暴な男。【ONE PIECE 】

第28章 やきもち。




『ロー、ありがと。』

「あァ」

大掃除の後片付けを終え、カナエは
医療室にやって来た。
バラされていないか心配だったが、トミダは点滴に繋がれ気持ち良さそうに眠っていた。
顔色も良くなっている。
ローはこちらに背を向けて椅子に座り、机で何やら薬を調合していた。

『倒れるまで飛び回ってたなんて……』

「お前が心配だったんだろ。」

『相変わらず、お節介だな……』

「居るじゃねェか。信頼できる仲間。」

『仕事仲間だよ。長い付き合いだから職場で
一番仲は良いけど。』

「そうか。」

『まぁ……親切にしてくれたし、趣味も似てるし、私も何となく気を許してはいたかも。』

「良かったな。そんな奴とこっちで会えて。」

『うん……』

何だかローの言い方がおかしい。
全ての言葉に鋭い刺が生えている。
先程から机とにらめっこをしたまま、カナエの方を全く見ない。

『あのー』

「……」

まさかとは思うが。

『もしかして君、妬いてるのかな?』

珍しく見えるローの後頭部。
カナエはポンポンしながら姉御風に聞いてみた。言ったは良いが、自分に虫酸が走る。

『!』

ローは無言のままカナエの腕を掴んだ。
やっとでこちらを見てくれたが、ガンをつけてくる。
確かに今のは腹が立つ。
カナエは青褪めながら直ぐに謝った。

『ごめん!冗談です!』

「……」

『妬いたりなんてしないよね!すいません!』

「妬いたよ。悪ィか。」

『えっ……』

そんな当然の様な顔で言われても。
ローは掴んだ腕を離さない。

「俺よりお前の事を知ってる男がいるのが気に食わねェ。」

『そんな事を……!何で当たり前の様に言えるの……』

「俺は本心を言ってるだけだよ。」

『船の皆だって、私の事良く分かってくれてると思うよ。』

「あいつらの話をしてるんじゃねェ。」

『……』

「そいつとはそんなに気の知れた仲なのか。」

『気兼ね無く話せる先輩だけど……皆程じゃないよ。』

「長ェ付き合いなんだろ?」

『そうだけど、新密度が違うと言うか……何と言えば良いのかな……』

「……」

(無言で睨まないでください……)

カナエは固まった。怖すぎる。

短い付き合いでも、ハートの海賊団にいる
居心地の良さ。
これをどう伝えたら良いだろう。
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