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例のイケメンは凶暴な男。【ONE PIECE 】

第28章 やきもち。


『上手く説明出来ないけど……ここに来てから今までで、一番自分が自分らしいと言うか……感情を表に出す事も増えたし。』

「……」

『それは皆を信頼してるからで、付き合いが長いとか短いとかでは無くてですね……』

「……」

『ごめん。良く分かんないよね……』

くだらない会話の時だと良く動くこの口は
自分の事となると、しどろもどろになる。
気持ちは伝わっただろうか。

「お前があいつらを家族の様に思ってるのは分かってるよ。」

『ほんと?……良かった。』

「俺が聞いてんのはそこじゃねェ。」

『え?』

「お前は俺の女だろ。俺が一番だとか気の利いた事言えねェのか。」

(そこかーい!!!)

「そいつとは何も無ェんだろうな。」

『は?』

どうやらローは、トミダとの関係がどこまで深いものなのか気になる様だ。

元の世界では、ほぼ毎日一緒にいた。
苦楽を共にしてきたと言えばそうだが、でもそれは仕事での事。
外で会うのは、職場の飲み会ぐらい。
男女の関係なんて全く無かった。

『何かあったと思ってるの?』

「そうだ。」

『はっきり言うね……』

「聞きてェ事を隠してどうする。」

『トミダさんとは何も無いよ』

「………」

明らかに疑われている……。
10年近くの付き合いで、何も無い方がおかしいのだろうか。
そう言えば、今までの男はトミダの存在を知っても気に留めていなかった。
カナエも男に対してそうだったが。
お互いそんなに干渉する付き合いはした事が無い。
こんな時の対処法が、カナエにはよく分からかった。
カルロの時とはケースが違う。

(好きだとか愛してるとかなんて、はっきり口で言う柄じゃないしな……)

後ろめたい事なんて何も無いんだから、とにかく自分の頭の中の状況を伝えれば良いのだろうか。

『俺に溺れさせてやるって言ったでしょ。』

「あァ。」

『もうその通りになってるよ……ローの事しか考えられない……です。』

「………」

ローは、表情が変わらない。

(大好き!とかハートマーク付きの方がよかったのかな……無理無理。それは素直で可愛い子が言うと効果のある物で、私みたいな三十路のひねくれ女がやったって気持ち悪いだけなんですよ!どうしろってんだ!)

カナエは脳内で逆ギレをしだした。

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