【忍たま乱太郎】~空蝉物語~【兵庫水軍中心トリップ逆ハー】
第1章 兵庫水軍との邂逅
えっ、何。じゃあ俺が今まで話していた麻言は女で男装してたって事か?というか、普通に俺肌に触れてたし。手の甲摘んだりしてたし。そんで何でこいつは動じないんだ。風呂普通に覗かれて普通恥じらうんじゃないのか。記憶喪失にしても、その辺はどうなんだ。否、それよりも俺が頭打って倒れた後、『すぐ』ここまで連れてきたって言ったよな?
―って事は
「……なあ」
「うん、……何?」
「……ここまで俺連れてくる時、お前、さ…」
着物着てたか?
―と白南風丸はそう訊いた。
捉えようでは俗な質問だ。
麻言が察しが良く、恥じらいのある世の女性なら、
間違いなく張り倒していた事だろう。
しかし。
「ええ?そりゃあ、一大事なんだから着てる暇なんてなかったよ」
軽く笑いながら当たり前だと言わんばかりに麻言は答えた。
途端。
ぼんっ
白南風丸の思考回路が音を立てて吹っ飛んだ。
と、同時に鼻の片方から鼻血が流れ出す。
そして再び彼の意識は彼方へと旅立ってしまった。
「いうぇ!?し、白南風丸っ!白南風丸~っ!?」
そのまま横倒れになった白南風丸を
必死に揺り起こそうとしたが―
結局彼が目覚めたのは、明け方になってからだった。