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【忍たま乱太郎】~空蝉物語~【兵庫水軍中心トリップ逆ハー】

第1章 兵庫水軍との邂逅



白南風丸は自身のぼやける頭と視界の中で思った。

あれ、俺…いつの間に眠ってたんだ?
思えば不思議な夢を観ていたような気がする。
先程風呂に入った麻言に体拭きを渡すのを忘れていて、
渡しにいったところまでは覚えているのだが―

「―白南風丸っ。…大丈夫?」

頭上からのその呼び声に、白南風丸の意識は急激に浮上する。
はっとその眼にうつったのは、
心配そうに見下ろしている麻言の顔だった。

「…あれっ。えっ、麻言?」

どうしたんだ?とそのまま訊ねようとするも、
後頭部に感じる柔らかく温かい感触に気づき、思わず沈黙した。
それに枕にしては弾力がある。
じゃあなんだと身動ぎし、横を向けばすぐ横に
自身の着古した着物と対面した。
更に上へと視点を変えれば―
再び麻言と目が合った。
その時にやっと麻言にいわゆる”膝枕”を
されている事に白南風丸は気付いたのだ。

「うおおぉぉっ。わっ、悪いっ!」

慌てて起き上がると、白南風丸は麻言に向かって頭を下げた。
―っと。

「っ。痛って…!」

ズキリと自身の後頭部に痛みが奔り、片手で思わず頭を押さえる。

「ああっ、無理に動かないほうが良いよっ!
さっき頭打って倒れたんだからっ」

慌てて身を乗り出し麻言がそう叫ぶと白南風丸は
「だ、大丈夫だ」と苦笑する。

「そ、そっか俺いつの間にか頭ぶつけてたのか。
通りで変な夢見たと思ったよ」
「へっ、夢っ?」

苦笑したままそう言う白南風丸に麻言は眼を見張った。
すると、白南風丸は少しはにかんで。

「いやあ、実はさ…俺お前に身体拭きをうっかり渡すのを忘れててよ。
で風呂場前まで持ってったんだ。
そしたら、そこに大量に巻かれた包帯があって…。
慌てて風呂の扉を開けたんだ。
―そしたらさ麻言の姿が女だったんだよ。笑っちゃうだろ?」

夢だと言う事の顛末を白南風丸は語り終わると、
そう同意を求めて誤魔化すように笑ったが―
麻言は始終神妙な顔で聞いていた。

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