第8章 食戟のソーマ―――四宮小次郎
『へぇ……』
この短時間でこのルセットを選ぶのが3人もいるなんて……
1人いればいい方だと思ってたんだけど……
『葉山アキラ、水戸郁み、新戸緋沙子………か』
この3人はいい品を出しそう
他は良くて10人ぐらいかな
私は調理に入り出した生徒達を見て昔の自分を思い出していた
「君の料理は素晴らしい。もっと自信を持ってやるべきだ」
堂島さんは体格が良くて、怖い人だと思っていたけど、そう言ってくれた
あの時、堂島さんに出会ってなかったら、今の私はないだろう
「松長シェフ。完成しました」
『葉山アキラくん、ですね。
早速いただきます。
……………合格です』
葉山くんが作ったものを食べてそう告げると室内がざわつく
しかし、その後水戸郁美、新戸緋沙子が合格、その他にも合格者が出ていった
『はい、そこまで』
不合格を言い渡された者、作り直しを言い渡され時間に合わなかった者は計15名ほど
厳しくいくと言ったものの、私のなかではまだ審査は甘い
受かってほっとしている者の中にも明日、又は今夜にでも退学になる者も出てくるだろう
『皆さんお疲れさまでした。受かった人はバスに乗ってください』
こうして、合宿一日目の大仕事が終了した
関守さんたちはまだ仕事が残っているらしいが、私は今回初参加、最年少ということで初日だけゆっくりさせてもらえることになった
色々、申し訳ない気持ちと有難いのとが入り交じっている
『明日から、また仕切り直しだから頑張らないと!』
明日は私にも仕事が回ってくる
ゆっくりできる今日に休んでおこう
私は明日の用意や入浴を済ませて、他の人の仕事が終わったのを確認して眠りについた