第7章 ナルト―――はたけカカシ
みずきside
ゲンマさんたちが中忍試験のことを話し始めるが、私は話に入らなかった
というか、入れなかった
今、私の頭の中はさっきの紅さんの言葉でいっぱいだった
―――カカシが他の女と仲良くしてたら嫌、とか。あとは、他の女を見てほしくない、とか思ったら、好きってことなんじゃない?―――
カカシさんが………他の女の人と………
ちらり、とカカシさんを見る
すると、カカシさんと目が合った
『!!』
思わず、顔を背けてしまう
もう、私のバカ…!
これじゃカカシさんを傷つける一方なのに
先程の行動を後悔していると、甘えるような声が聞こえてきた
「あ~!はたけ上忍!何してるんですか~?」
そちらを見ると何人かのくノ一がいた
「何って飲み会だよ」
「え~!いいなぁ!私たちとも飲みませんかぁ?」
「んー、そうだね……」
カカシさんは私に背を向けて女性たちと話している
それを見て胸の中に何かモヤモヤしたものが広がっていった
そして
「――――……え………?
…………みずき………?」
『………あっ!』
私はカカシさんの袖を掴んでいた
『!す、すみません!』
私は慌てて袖を離して、財布を取り出す
『少し酔ってしまったみたいで……先に帰ります!』
皆が呆然と私を見る中、私は適当にお金を机において立ち上がった
「あ、ちょっと!これ多すぎるって!」
『いえ、平気です!皆さん楽しんでください!』
捲し立てるようにそう言って、私はカカシさんと目を合わせることなく、逃げるようにその店を出た