第7章 ナルト―――はたけカカシ
カカシside
家にいると火影様から呼び出された
結局アスマたちにみずきの事を聞いてから本人に会っていなくて、任務がいつにも増して憂鬱だと思っていた俺だが、三代目の言葉で一気にやる気になる
「次のSランク任務。みずきと行ってくれ」
「本当ですか!?」
「……ああ。みずきが他の上忍とは旨く連携がとれる自信がないというのでな」
つまり、それは俺となら連携がとれる、ということ
俺はマスクの下で緩む頬を引き締めることができない
「隊長はカカシ、お前だ。みずきには準備が出来次第待機所に居るように伝えてある。
お前も準備が終わったら待機所に行き、みずきと任務に出てくれ」
「わかりました」
みずきに早く会いたい
その気持ちだけが俺の脳内を支配する
今すぐ全力で走って抱き締めたいが、これから任務だ
あまりに浮かれていると任務に支障が出かねない
家に戻り、手早く荷物をまとめ待機所に向かう
すると、待機所の入り口でみずきの背中が見えた
気配も消していないしこの距離で振り返らないということは、とある程度予想がついた
その予想は当たっていてみずきの困ったような声が聞こえる
ここから逃げようとしたみずきが俺の胸に飛び込んでくるように振り返った
「こーら、あんまり問い詰めないでよ。お前ら」
『カカシさん!』
俺を見上げたみずきの目が潤んでいて俺は抱き締めたい衝動に駆られた
少し耐えるが、その努力も水の泡となるのは時間の問題だった