第6章 ワンピース―――ロロノア・ゾロ
「あら、みずき。タオルなんて巻いてどうしたの?」
『あ、ロビンさん。ゾロが貸してくれて、取るなって』
そう言うと、ロビンさんは少し考えてふふ、と笑った
「なるほど。そういうことね。じゃあ取らない方が身のためよ」
『わ、わかりました……』
一瞬で状況を把握してしまったロビンさんを見て、すごいと思う反面、敵には回したくないな、とも思う
私の心を読み取ったかのように笑うロビンさんは私の手を引いた
「みずきは本が好き?」
『はい。でも、少ししか読んだことがなくて……』
「それなら、いい場所があるわよ」
そう言われて連れてこられたのは、本がずらりと並んだ場所
『わぁ~』
「ここの本は好きなときに読んでいいのよ」
『ロビンさんも本が好きなんですか?』
「ええ。それに、私は考古学者だもの」
少し誇らしげに言ったロビンさんを見て私は俯いた
『……凄いですね。
この船にいる人たちはそれぞれの役割や、個性を持ってて……。
でも、私は、何も持ってない……』
「別に今は無くてもいいんじゃないかしら?」
『……え……?』
ロビンさんの言葉に顔をあげると、ロビンさんはふわりと微笑んだ
「みずきは自分で世界を広げていくんでしょう?なら、自ずと役割や個性は身に付いていくもの。
それに、個性なら貴方は既に持っているわ」
『……私の……個性……?』
「あの堅物剣士さんを夢中にさせちゃうんだもの」
『………///』
「あら、可愛い反応」
ロビンさんの爆弾発言に思わず赤面してしまい、私はロビンさん視線から逃げた
「それにしても、ずっとその格好でいるの?」
『他に服がなくて……』
今まで来ていた服はナミさんが洗濯してしまい、何も持ってこなかったことを悔やんだ
「なら、私の服を着る?」
『……え?……でも……』
私は戸惑いながらロビンさんの胸元を見る
ナミさんよりもきっと大きいだろうと私は勝手に思ってるんだけど……
「大丈夫。ただのワンピースみたいな服を1着だけ持っているわ」
『じゃあ、お言葉に甘えて……』