第6章 ワンピース―――ロロノア・ゾロ
それから間もなくして船は海に出た
初めての経験で少し気分が悪くなってしまったが、すぐに慣れた
どうやら、船旅は心配ないようだ
ナミさんとロビンさんに船内を案内してもらい、お風呂を頂いた
服はナミさんの物を借りたけど、かなり露出が……
『あれ……?ナミさん……?』
ここにいる、と言われて安心していたが、少し扉を開けてみても誰もいないようだ
それもそのはず
ナミさんは航海士、という海賊船には無くてはならない存在らしい
そんなすごい人がずっと私の面倒を見るわけにもいかない
だけど、甲板に出ようにもこの格好は……
そう思っていると、目の前の扉が開いた
『……あ、ゾロ………』
「……お前、何だよその格好」
開口一番その言葉が飛び出してきて、グサリと刺さる
すると、私の様子を見たゾロは慌てて
「いや、違う!何でナミの服着てんだよ?」
『……私なにも持ってきてなかったから……。お風呂から出たらコレを着てって』
「ったく、アイツ………」
『ナミさんほど、スタイルよくないものね………私』
「だから違ぇよ!ったく、そんなに見られるのが嫌ならタオルでも巻いてろ」
バサッとバスタオルを投げられて慌ててキャッチする
『巻くって……どうやって?』
「………ったく」
呆れながらもゾロはバスタオルを私に巻いてくれる
その手つきが意外にも優しくて、胸がきゅう、となった
「ほら、出来たぞ………って、何だ?何かついてるか?」
『あっ、ううん!何でもないっ!ありがとう!』
誤魔化すようにゾロの横を通りすぎようとしたのに、手を掴まれ、後ろから抱き締められてしまう
『ぞ、ぞろ……』
「こっち向け」
耳元で呟かれて顔だけそちらに向けたとき、唇にゾロのソレが重なった
『………んっ……!?………ぅん………』
初めての行為に体を固くしているとゾロが離れていき、銀糸が私たちを繋ぎ、やがて切れた
『………ゾロ……?』
「バスタオル、外すなよ」
いいか?と念をおされて思わず頷く
そして、ゾロはシャワーを浴びに行ってしまった