第6章 ワンピース―――ロロノア・ゾロ
ゾロside
「ゾロ?こっちは町の方じゃないぞ?」
森の獣道を進んでいるとチョッパーが声をかけてきた
「わかってる。町の方に行きたいなら行ってこいよ」
後ろからついてくるチョッパーに振り返りもせずにそう言うとチョッパーは足を止めた
そこで俺はやっと足を止め振り向く
俯くチョッパーの答えを待っているとチョッパーは笑顔で俺に言った
「いや!俺はゾロについて行くよ!」
「……好きにしろ」
そう言うとチョッパーは俺の方に駆けてきた
「ゾロを一人にすると心配だからな!」
「心配されるほど弱くねぇよ」
「そういう問題じゃないぞ!」
「じゃあどういう問題―――」「あっ!!」
俺が疑問を投げ掛けようとしたその時、チョッパーは草むらの方に走っていった
「お前、どこから来たんだ?」
チョッパーの先にはタヌキの子供がいた
そのタヌキと会話を始めるチョッパーに俺は背を向けた
ナミに怒られると思うと少し申し訳ないが、俺はそのまま振り返ることなくその場を離れた
「そっか……親とはぐれちゃったのか……。
なぁ!ゾロ!この子の親を――――
あっ!?」
タヌキの子供を抱き上げて振り向くとさっきまでいたはずのゾロはどこにもいない
あとでナミに怒られる……っ!
「ゾーロー!!何処に行ったんだよー!!」
そんなチョッパーの声が森に木霊した