第6章 ワンピース―――ロロノア・ゾロ
みずきside
今日もいい天気だ
洗濯物を干し終えて空を見上げふと気がついた
今日の夢もこんな風に空に雲1つなかった
久しぶりに見た夢―――それはとても素敵な夢だった
私の回りを360°取り囲むように生える荊を切って連れ出してくれる男の人
詳しいことは覚えていないけれど、とても幸せで、目が覚めると涙が頬を伝っていた
……なんて、
『夢に期待しちゃダメだよね……』
私は物心着いたときからずっとこの荊の檻の中にいる
荊の外が見えるのは唯一空だけ
たまに荊の隙間が空いていてそこから抜け出そうと試みてみたものの、まるで荊が生きているみたいに行く手を阻み、私は怪我を負った
この荊の中じゃ薬なんて便利なものはない
傷はなかなか治らないし私は外に出ることを諦めた
でも、時々思う
外の世界はどんな風になっているんだろう……?
『ダメダメ!こんなこと考えてる場合じゃない!
畑の手入れしちゃおう!』
今は天気はいいが、明日は雨になるかもしれない
出来ることは今のうちにやっておかなければ!
みずきは気合いを入れ畑の手入れを始めた
だが、みずきはまだ知らなかった
一人の男が荊を切り自分を連れ出してくれることを――
そして、この日を境にみずきの世界が大きく広がることを―――