第4章 Free!―――山崎宗介
みずきside
凛くんに
「んなこと言うなら宗介のアレ、やんねぇぞ?」
と言われ、何のことかと思っていると、携帯を目の前に出された
そこには料理番の格好をした宗介くんがいて、様々な角度から撮られていた
『………っ///』
思わず口元を押さえて悶えてしまう
どうしてこんなにカッコいいんだろう
目は少し垂れているのに、その目には強い光が宿っていて、その目を一度見てしまうと逸らすことが出来ない気になる
「で?いるだろ?」
『欲しいっ!是非ください!!』
「しゃーねぇー。そんなに言うならくれてやるよ!」
凛くんがものすごく大袈裟に送信ボタンを押して、私の携帯に画像が届く
待ち受けにしよう……
と、本人の許可もなくかなりアブナイことを考えている私と、その私の前に画像を提示している凛くんは端から見れば異様な光景だろう
実際、橘くんはあはは、と若干引き気味である
そのあと、渚くんが肉まんを10個買ったり、宗介くんと七瀬くんのせいで橘くんがあたふたしたあと、サバゲーをやることになった
まぁ、私はというとそういう遊びには興味ないし、回りたかった、というのもあって皆と別れることにした
模擬店や部活の出し物を見て回っているといきなり肩を叩かれた
『きゃあっ!?』
咄嗟に振り向くと、そこには懐かしい顔
「驚かせちゃった?ごめんね。
久しぶり、みずきちゃん」
『貴澄くん!久しぶり!
………って、また身長伸びた?』
岩鳶中学校で1年と3年の時に同じクラスだったが、その時よりも身長が随分高い
「そう?あ、でもさっき凛に会ってきたときは僕の方が高かったね」
少し得意気に言う貴澄くんは胸を張る
そんな彼を笑ってみていると、耳で呟かれた
「……ところで、宗介とはどう?」
『えっ///!?ど、どうって……///?』
「誤魔化してもムダ!さっき凛と会ったときも少しだけ話したんだけど、いい加減告白しちゃいなよ!」
『………そんな簡単に出来たら苦労してないよ……。宗介くんは江ちゃんのことが好きだし……』
「江……?確か……」
『凛くんの妹だよ』
(………宗介はみずきちゃんが好きなんだけどな~………)
貴澄くんがそんなことを思っているなんて私は知らず
『はぁ~』
と深いため息をついた