第4章 Free!―――山崎宗介
そして、日が落ち、キャンプファイヤーが始まった
貴澄くんと一緒に宗介くんたちを探していると、サバゲーの結果か、皆が上着を脱いで話していた
「皆~」
「貴澄!」
貴澄くんが手を振って皆の方に入っていく
『………いいなぁ………男の子って……』
そう呟くと宗介くんが私の方に来た
「松長……ちょっといいか?」
皆はこっちに気づいていなくて、貴澄くんの自己紹介が始まったところだった
『……うん。いいよ』
私は宗介くんに連れられて、人気のない場所に来た
宗介くんは首筋に手を添えて、少し目を逸らしてから私を見た
その目で見られると私は目が逸らせなくなる
見つめあっていると
「実は……俺、松長のことが好きだ」
『………え?』
宗介くんの口から出た言葉を聞いて
ポロ
頬に涙が伝った
「え!?どうした!?」
『ごめんっ、あれ、何か、おかしいな………っ』
「悪いっ、泣くほど嫌だったか?」
『ち、違うのっ、宗介くんは、江ちゃんが好きなんだと思ってて……っ』
「江……?ああ、江は俺の妹みたいな感じだ」
それを聞いて心の底からほっとしている自分がいて、少し嫌になった
でも、このチャンスを逃すわけにはいかなくて
『わ、私も、宗介くんが好き!』
きっと私の顔は真っ赤だろう
でも、それに負けないくらい宗介くんの顔を赤い
私たちは手を繋いで皆のところに戻った
「あ、おかえり~」
渚くんがそう言ったことで全員の視線がこちらに向く
恥ずかしくて、手を離そうとしたが、宗介くんは私の手をギュッと握り直した
「やっとくっついたかー!」
凛くんが疲れた、というように伸びをした
「良かったね、みずき」
真琴くんが笑いかけてくる
私も笑い返した
その後、質問攻めにあったが、私たちの手は繋がれたままだった