第4章 Free!―――山崎宗介
凛side
ハルたちが来て少し気が滅入ったが、後ろから入ってきたみずきを見て一気にそんな気は無くなった
何せ、からかいやすい
まぁ、みずきの方は俺のことをよくは思っていないみたいだけどな
みずきに宗介が裏で作ってることを伝え、オムライスを頼むことを勧める
すると、顔を真っ赤にしたため俺はそれを見て、笑った
本当に、二人揃って不器用だ
「宗介。オムライス1追加だ」
「わかった」
「岩鳶の奴ら来たみたいだな」
「ああ。ったく、来んなっつったのに……」
ため息をつきながらそう言ったものの
「って言っても後で校内案内してやるんだろ?」
図星を突かれる
「ぐっ……まあな。
あ、それからみずきも来てるぜ。ちなみにそのオムライスみずきの分な」
反撃とでもいうようにそう言うと宗介がピクッと反応した
「あいつが……来てるのか?」
思わずフライパンを振る手が止まりこっちを見てくる
俺がなにも言わずにフライパンを指差すと、思い出したように再び動かし始めた
「ああ。だから、お前も来るだろ?」
「……ああ」
その後、一応味見をして宗介にみずきのところに持っていくように言いつける
宗介は覚えてろよ……と俺を睨んだが、俺は楽しくて仕方がない
宗介の後をこっそりついていくと、宗介に気づいたみずきが宗介を見て頬を染めていた
「待たせたな。食べてくれ。
……口に合うかはわからねぇが……」
『………いただきます』
宗介が置いたオムライスをスプーンで一口掬って口に運ぶ
口にいれたみずきは顔を綻ばせた
『おいしい!すっごくおいしいよ!宗介くん!』
満面の笑みで宗介にそう言ったみずきは段々顔を赤らめ遂には黙々とオムライスを食べ始めた
宗介はというと
「……///」
みずきの笑顔とおいしいと言われたことで声が出ないほど照れていた