第4章 Free!―――山崎宗介
みずきside
皆で鮫柄の文化祭に行くことになった
七瀬くんが言うには絶対に来るなと凛くんに言われてたみたいだけど、その言葉のせいでさらに気になったらしい
やっぱり男の子なんだと思うが、宗介くんに会えると思うと少し嬉しかったり………
なんて、宗介くんは江ちゃんが好きなんだけど……
と、思っていると、江ちゃんがマッスルコンテストの看板を見つけてしまいそちらに行ってしまう
あまりにも嬉しそうで止める間もなかった
途中で会った似鳥くんに案内してもらい水泳部の出し物、『地獄の冥土喫茶』に行く
メイドの格好をしている似鳥くんを見て私たちはまさか、凛くんや宗介くんも………!?と思ったのだが……
『なんだ、メイドじゃないの?』
「なんだよ、その言い方は。
相変わらず俺には当たりキツいよな」
そう言った凛くんは執事姿
御子柴くんが言うには1、2年がメイド、3年が執事らしい
やっぱり凛くんも顔は整っているわけで嫌いなはずなのに少しかっこいいと思ってしまう
『……別に』
ふい、と顔をそらして宗介くんがいないことに気づく
目線だけを動かして探してみるも、見当たらない
すると、ニヤニヤと笑う凛くんと目があった
『……!』
「宗介なら裏で作ってるぜ?」
『……だ、誰もそんなこと聞いてないし!』
そんなことを言いながら宗介くんが料理する姿を想像して勝手に赤くなる
席に案内されてジュースを頼むと、凛くんが私の耳に顔を近づけた
「オムライス、頼めよ」
『ど、どうして?』
答えはわかりきっているのにそう聞いてしまう
それすらも凛くんはお見通しで
「宗介の手作りだからな」
『……///』
私の顔を見て凛くんはフッと笑った
「オムライス1つ追加ですね。かしこまりました」
わざとらしくそう言って凛くんは裏に向かっていった