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I’m not prince

第1章 あの噂


 俺の短い髪が、撫でられる。優しく、それでいて、どこか粘つくような手つき。じわり、無意識の嫌悪が芽生える。
 俺が知っている姫さんじゃ、ない。
 恐れは、あった。しかし、それ以上に、期待で、その場から動くことができなかった。
 また少し、姫さんが、俺に近寄る。体が密着しそうなくらい。
「――ッ!」
 ぞくっと、背筋に、青とピンクの何かが這い上る。
 恐怖。そして――、ほんの少し――、だけど、それは恐怖を綺麗さっぱり洗い流してしまうほどの――――、悦楽。
 俺の股間に、姫さんの手が密着していた。
「姫……さん?」
 姫さんの名前を吐き出すだけで、精一杯だった。
 姫さんは、にこりと笑った。どきっとした。意識したことなかったけど、意外とかわいいな。
「あんなに踏まれて、大丈夫だった?」
「……え……?」
「電気あんまだよ……。この前されてたじゃない?」
 なるほど。先日の、電気あんまを心配してくれているのか。
 ……と、冷静になれるわけでもなく。俺の股間を、ズボンの上から撫で回す手に、俺は、体中の意識を集中させていた。
 今はまだ半勃ちだけど……、このままだと、フル勃起不可避だろう。
 でも、姫さんなら許してくれる……。
 確証もないのに、俺は、そう信じた。
「はぁ……っ」
 服の上からだが、股間をわしづかみにするようにして、俺のちんこに刺激を与えてくる。
 けつの穴の方まで、指が来ている気がする。俺は、怖くて、さすがにアナニーはしたことない。だから、そこでは感じないはず。
 しかし、女の子に、男の大事な部分を全て預けているせいだろうか。姫さんの指が触れる全ての部分が熱を帯び、快楽を生み出すようだった。
「んん……っ……」
 金玉を探し当てられる。痛みに敏感な器官だとわかっているのか、優しく撫でてくれる。が、今の俺には、その緩やかな刺激が、じれったくてたまらない。
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